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陰獣
「陰獣 」
久しぶりに江戸川乱歩を読んでみました。短編集。
やっぱ陰獣が一番好きだなー。
丸髷ってどんな髪型?

私は探偵小説家である。
上野の博物館で出合った美しい女には、うなじにみみず腫れのような跡があった。
名を静子。
手紙のやり取りをしていくうちに、静子は私にある悩みを打ち明ける。
最近妙な手紙が来ること。
それは、平田一郎というかつての恋人からであった。
平田は大江春泥という名で、私と同じく探偵小説を書いているらしい。
大江春泥は知的な私の作風とは違い、陰険で邪悪であった。
手紙の文体はまさに大江春泥そのもの。
脅迫じみた手紙は徐々に狂気を含み、ついには静子の行動を事細かに描写するようになる。
それはまるで大江春泥の作品である「屋根裏の遊戯」のよう。
暗くじめじめしたこの屋根裏から覗いているとしか思えなかった。
そうこうしているうちに手紙の内容はさらにエスカレートし、
遂に静子の夫である実業家の小山田を殺す、と書かれるようになった。
そして、その予告通り小山田が殺されているのが発見される。
警察の力をもってしても、未だ大江は見つからない・・・。

官能と論理を上手く混同させて、2転3転するラストは見物ですね。
稲垣五郎が主演でドラマか映画になっていたきがするのですが。
私が覚えているところどころのシーンが陰獣の内容に合致する。
この短編の中では人間椅子も好きです。
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