
「 ラッシュライフ」早くも再読。 2度目今度はメモをとりながら読んでいます。
あらすじ
金で買えないものはない、が口ぐせの画商、戸田と実際に金で買われたような画家、志奈子。
スマートで独自の美学をもつストイックな泥棒、黒澤。
高橋率いる新興宗教を信仰する河原崎とその指導役、塚本。
不倫相手の妻を殺害しようと計画する超現実的な精神科医の京子。
理不尽なリストラを受け、その後40社連続不採用の記録を持つ失業者、豊田。
5つの視点から物語は進み、交差したり離れたりします。
クリストファーノーラン好きにはたまらない構成でした。これだけでもかなりのネタバレ。途中で鼻にスーとぬけるような感じがする箇所が何個かあります。死体がアルコール臭かった理由とか、最初に戸田が持っていた新聞の内容とか、結末を知ってから改めて考えるとにやにやしてしまいます。
それにしても黒澤がカッコイイ。響野さんの次に好きだ。黒澤は盗みの際、被害者が面倒なことにならないように、盗んだもの、この家を狙ったことに理由はないこと、部屋は必要以上に荒らしてないこと、等を書いた書類を置いていく。おもしろいなあ。泥棒なのに。
伊坂作品はそれぞれところどころリンクしてるのですが、もしかしたらこのラッシュライフが一番他の作品にリンクしてる数が多いんじゃないですかね。パッとわかっただけで、バンク、陽気なギャング、重力ピエロ、ああオーデュボンの伊藤の話もあったなあ。タダシってあの成瀬の息子のタダシじゃないですよね。キャラは全然違うし。キャラが全然違うと言えばオーデュボンと陽気なギャングに同じように足の調子が悪い田中がでてたような…。
伊坂作品全体がまさにラッシュライフ。豊潤な人生。
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